新総統に就任した頼清徳氏は、台湾は屈服することも挑発することもせず、中国との関係において現状を維持すると表明した。

Newly-inaugurated President Lai Ching-te said Taiwan will neither yield nor provoke, and maintain the status quo in its relations with China.

蔡英文氏の後任として選出された民主進歩党の来清徳氏が台湾の新総統に就任しました。前評判では「対中強硬派」ということで就任演説に注目が集まっていましたが「現状維持」を表明しました。

1972年の日中国交正常化により我が国は中国共産党が支配する中華人民共和国と国交を結ぶ一方で中華民国(台湾)との国交を破棄しました。現在、我が国は台湾を国家と認めていません。しかしながら1972年以降も我が国と台湾との結びつきは文化的にも経済的にも強固なものがあります。

また「台湾は中国の一部」とする中国政府にとって台湾政府との関係はとても繊細です。したがってここでは説明を割愛しますが、事実だけを見れば双方の立場の相違は大きく、中台両政府は「対立関係」にあると言えます。この対立が強くなればなるほど「台湾有事=軍事紛争」の確率が高まる関係性ですから、新総統に「対中強硬派」が選ばれるのか「対中穏健派」が選ばれるのか、板挟みとなる我が国にとって大きな関心事でした。

ところで「台湾有事は日本の有事」と言われます。その大きな理由は「シーレーン」にあります。我が国の主要エネルギー源である石油・石炭・天然ガスはそのほとんどを船舶による輸入に依存しています。この船舶の通る道筋をシーレーンと言いますが、これが台湾沿岸を経由しています。もし台湾で軍事紛争があればこのシーレーンが封鎖され、我が国に石油・石炭・天然ガスが入って来なくなります。国内備蓄量などたかが知れていますので、そうなるとあらゆる活動が制限され、国民生活は即パニック状態になることは間違いありません。

こと電力に限ってみれば、2022年度時点で国内生産量の70%以上が火力発電に依存しています。原子力発電(5.6%)を除くその他の発電(太陽光・バイオマス・風力・地熱)で約22%を賄っており、ここ数年は再エネブームでもう少しこれらの割合が大きくなっていると推測しますが、到底、火力に代わるものではありません。またこれらは自然環境に左右されますから安定供給には適さないという欠点もあります。従って台湾有事が起これば、可能な限り「原発再稼働」で電力を賄うというのが唯一の選択肢になるのが実情です。台湾有事が想定される現段階で「脱原発」は現実的でないことが分ります。

このように我が国にとって「台湾有事」は百害あって一利なし。最善を尽くして避けなければなりません。同時に台湾有事がいつ起こってもようように備えなければなりません。頼新総統が就任演説で「現状維持」を表明したことで「喫緊の有事」の可能性がなくなり時間稼ぎができた意味で朗報でした。今後の動向を注視したいと思います。

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ニュース英語って何だろう?

「ニュース英語から何を想像しますか?」

この質問を投げかけると多くの人が「英字新聞」と答えます。PHILOSに体験で来られた40代女性のKさんもその一人でした。Kさんによると、ニュースといえば新聞だし、これに英語がつけば英字新聞と思うのが一般的な日本人の感覚ではないかとのことでした。確かにその通り。したがって「英字新聞を教材に読んだり訳したりする」のがニュース英語学習法という固定観念があったそうです。

ラジオニュースだった!

そのKさん、レッスンがはじまっていきなりリスニングがはじまったのですからもうびっくりです。手元には新聞どころかテキストも何もありません。講師の流すラジオ音声をただただ集中して聴く…。そう、PHILOSのニュースは英語のラジオニュースなのです!

リスニング力のなさに脱帽

PHILOSでは60秒ほどの短いニュースを使います。これをはじめて聴いたKさん、いくつかの単語が聴き取れたこともあって何のニュースなのかはわかったけれど、詳しい内容はほとんどわからなかったそうです。あまりのリスニング力のなさに脱帽といった感じでした。

その後は講師のリードのもと、段落ごとに、さらに文章を細かく切って「ここが主語で」「ここが動詞で」「ここは受け身になっていて」と何度も聞いていくうちに少しずつ「聴こえる」ようになっていきました。

リスニングの最後にもう一度同じニュースを通しで聴きます。ここで多くの方が最初に比べて圧倒的に「聴こえる」ことに驚かれます。もちろんKさんもそうでした。そして…ここまでわずか25分!

スクリプトを見て実感。英語を聴く<読む

ここまできてようやくスクリプト(ニュースの台本)の出番です。ペーパーを配ると皆さん、すぐに英文に目を通しはじめますが「こんな簡単だったの」と一様に驚きの声!

日本の英語学習になじんできた人は語彙力、文法力があり「読む力」があります。この驚きはその力が発揮されたことによるものです。一方で英文を読んだことで「聴く力」のなさを再認識してがっかりする瞬間でもあります。Kさんはクラス体験前の質問で「英検2級なので準中級クラス」とのことでしたが、実際に聴いたニュースはワンランク下の初級クラスのものでした。Kさんも多くの方同様に「聴けないけれど読むのは楽勝」を実体験したのでした。

学習法を変えるだけで伸びる

リスニングは慣れが大きいといいます。そしてこれは正しい。だから聴き慣れれば…

これは少し違います。慣れるのは「音」に対してであり、それがすぐに英語の理解につながるわけではありません。理解にまでつなげるには何より語彙力が必要。そして「英語の語順」です。

日本語とは異なる語順を持つ英語。この英語の語順通りに理解する力を磨く学習法の肝であり、それがリスニングからはじめる英語学習です。もしこれにもうひとつ有効な学習法を加えるならば「サイトトランスレーション」でしょうか。ここでは詳しくは説明しませんが、この動画コンテンツでは英字新聞をサイトトランスレーションで読んでいくパートも含んでいます。

オールラウンダーに

ニュースは、政治経済、外交軍事、文化芸能にいたる幅広い分野を扱います。時事の知識が身につけながら楽しく学ぶことができます。また分野ごとに頻出単語があり、それらを着実に身に着けていくことでオールラウンドで通用する語彙力が手に入ります。

Kさんは梅田のクラスで現在も学んでおられます。約1年半で英検Ⓡ1級が狙えるところまで来られました。劇的に伸びたのは語彙力とリスニング力。因みに最初の1年はクラスと合わせて動画コンテンツも併用し、これが底力になったそうです。

そんな「語彙力とリスニング力」が身につく動画コンテンツ↓。ニュース英語が初めてというあなたに強くおススメします。