ラグビーワールドカップ。世界ランク9位の日本代表は、第二戦で、世界ランク2位でfavorite (本命)の一つ、アイルランドに19‐12で逆転勝ち。この大番狂わせは驚きと歓喜をもたらしました。
見出し:Stunner in Shizuoka
※stunner=気絶させるような人、もの。思いがけぬ出来事。
Japan's stunning victory over Ireland on Saturday sparked jubilation from the roughly 47,000 fans who witnessed one of the biggest upsets in Rugby World Cup history.
※spark=火花が散る、引き起こす
※jubilation=歓喜、喜びの祝い
※witness=目撃する
※upset=「動揺」「不安」「波乱」の意味もありますが、スポーツや政治の分野では「番狂わせ」です。
→大番狂わせは、giant killingという表現もあります。直訳すると「巨人殺し」。ダビデという少年が敵軍の巨人ゴリアテを倒したという旧約聖書の逸話が有力な語源です。
4年前に、南アフリカを下した大勝利以上だという人もいます。
Those who recalled the “Brighton miracle”, Japan’s epic victory over South Africa in the last Rugby World Cup, said this weekend’s “Shizuoka shock” surpassed even the heroics of four years ago.
※epic=叙事詩の(ような)、壮大な、英雄的な、大規模な、最高の
総勢47000人のファンの、白熱した雰囲気に後押しされ、ホスト国チームがやり切りました。
Spurred on by a white-hot atmosphere from the 47,813-strong crowd, hosts Japan pulled off one of the biggest upsets in Rugby World Cup history.
※spur (on) =拍車をかける、刺激する
※white-hot=①〔金属が〕白く輝くほど熱せられた②〔感情・言葉などが〕熱烈な、白熱した
※数+strong=連結語で、〔兵力などが〕総勢_人の
※pull off=〈話〉〔困難な状況の中で〕~をうまくやり通す[成功させる]
前半に2トライを許しますが、その後日本が上回るプレイを展開します。
Japan conceded two first-half tries to the world No. 2-ranked Irish.Ireland led 12-3 but were eventually outplayed by the tournament hosts.
※concede=譲歩する、特権として与える/スポーツでは点、ゴールを許す
※outplay=競技で勝る、上手である
エリートチームを下した試合に、ファンの喜びを表す様々な表現がありました。
Ecstatic (有頂天の、夢中の) Japanese fans rejoice (うれしがる、喜ぶ、狂喜する)as Japan beat Ireland in Rugby World Cup.The Brave Blossoms’ stunning 19-12 win over a side(=チーム) that ranked world number one just a few weeks ago has electrified (電撃のような強い衝撃、感動を与える)the Rugby World Cup. One of the supporters said she got goosebumps (鳥肌がたった)
日本中のパブでは、年季の入ったファンと、にわかファンが、ハイタッチしてハグというシーンが見られました。
Seasoned rugby fans and recent converts exchanged high fives and hugs.
※seasoned=年季が入った、熟練した、経験豊富な/〔食べ物が〕味付けした、風味を加えた
※convert=転向者、改宗者、熱狂者
ちなみにconvertはラグビーでは、「トライの後のゴールキックによる得点すること」Tamura nailed the conversion (トライの後のキックを決める)というように使います。
※high five=ハイタッチ fiveは5本の指 give me fiveはハイタッチしよう!
ちなみにグータッチはfist Bumpこぶし(Fist)同士でガツン(Bump)
その後、日本はスコットランドにも勝利をして、一次リーグは全勝で突破し、初の決勝トーナメントに臨みます。
Japan has beaten Scotland 28-21, advancing to the knockout stage for the first time.
※knockout stage=決勝トーナメント
そして準々決勝。南アフリカに雪辱を許した日本の快進撃はベスト8で止まりました。
South Africa ended Japan's dream World Cup run to reach the semi-finals after a bruising 26-3 win against the hosts.
※bruising=あざをつけるような、熾烈な
しかし、second-tier nationのBrave Blossoms(日本のナショナルチームの愛称:勇敢な桜の戦士)が、first-tier nationに競り勝った成長は、まぐれではない=this was no flukeとして、海外メディアでも称賛されています。
※tierティアはラグビー界の「階級」。tier1は欧州6カ国(イングランド、アイルランド、ウェールズ、スコットランド、フランス、イタリア)と
南半球4か国(NZ、オーストラリア、南ア、アルゼンチン)。日本は中堅国にあたるティア2。
※fluke=(一般に)まぐれあたり、幸運、偶然の出来事←(ビリヤード)フロック、まぐれ当たり
以下はCNNより
Japan has been a quiet presence on rugby's international stage for decades, but now the Far East nation is set to soak up the limelight. Nowadays, the Brave Blossoms regularly go toe-to-toe with rugby's familiar force.
日本は、数十年に渡り、ラグビーの国際舞台では静かな存在であったが、今ではこの極東の国は、注目を集めている。最近はラグビーでおなじみの戦力と定期的に遜色のない闘いをしている。
※soak up=吸い上げる、吸収する
※limelight=石灰石 →舞台の照明で使われることからスポットライト、注目の的
※go toe-to-toe with=~に遜色ない能力を有する[備えている]、~と肩を並べる
最後に、私(いちぜんや)の高校時代、いつも同じグランドで大学3連覇時代の同志社大学が練習をしていました。もちろんこの人も。
大雨の日、練習が休みの誰もいないグランドでひたすら濡れて重くなったボールを蹴っておられた姿が昨日のように目に浮かびます。
とんでもないスーパースターで、また、努力の天才でした。ご冥福をお祈りするとともに、素晴らしいワールドカップを日本に持ってきてくださった御礼を申し上げたいと思います。
有難うございました。